昨日の記事のとおり、
ゴルフクラブは 数度という違いで役割を変える
ロフトというものが存在します。
弊社の場合、かなり大きなロフトのドライバーを
製作することも多々ありますが、
一般論でいうと 2度のドライバーもなければ
18度のドライバーも販売されることはほとんどありません。
計測上、クラブだけでいうロフトというのは
シャフト、もしくはシャフトの挿入角度に対する
フェース面の角度です。
そして、そのシャフトはアドレス時、
おおむね背骨と平行な関係にあります。
およそ、トップの位置で
このお二人のフェース面は
立体的ではありますが、
90度は言わないまでも
かなり大きな違いがあります。
右のニクラウス氏の場合、
アドレスに対し
クラブは高い位置になっただけで割にシンプルな状態です。
ところが左の選手の場合、
ニクラウス氏と比較すると
より複雑な経緯を経て、この位置に来ていますから
インパクトまでにそれを取り戻さなくてはいけません。
ハミングバード的に言うと
左の選手はロフトを90度寝かしたような
この位置でソールをボールに向けるような
クラブの動かし方をしている訳ですから、
これを練習量豊富でないおじさんゴルファーが
真似をするならば、正直何度のロフトを使ってもあまり関係ない
そんな状態になってしまいます。
クラブヘッドは重量の中心点(重心・重心位置)というのがあり
それは野球のバットやテニスのラケットのように
保持する柄、棒、ゴルフ場合はシャフト=グリップの
延長線上に ヘッドの重心はありません。
昔から、とんでもない理論を展開する人は
重心のズレ (シャフトの延長線上にヘッドの重心がないこと)
をなくし、トンカチのような
電電太鼓のような クラブを作ればいいんだ
と言ったりします。
で、実際に過去には
重心のズレを無くしたドライバーなんかが
新聞通販で販売されたりもしましたが、
一か月も持たずに消え、場合によっては
全商品回収なんてことも起こり得たと思います。
それは何故かというと
重心のずれがないと
打撃面がどこを向いているか
検知、感知することが出来ずに
大変危険な思いをするからです。
雨の日にトップやダウンスイングで
グリップが滑るというか、そういう体験をして
ヒヤッとしたことがあると思います。
ミスショットであったとしても
フェース面にボールが当たらないと
とんでもない方向。。。
自分の方にすらボールが飛んでくる可能性があるのです。
重心のずれがあれば、それを検知して
なにがしかの反応をすることが出来ますが、
重心のずれがないと、結果を見るまで
どうなっているか検知、感知することが出来ません。
ゴルフショットはほかのスポーツと比べ
球そのものも小さく硬い素材ですし、
アマチュアであっても、その初動速度は
簡単に 時速200キロを超えてしまいます。
そう考えていくと
昨今の市販のゴルフクラブ、そして主流になっている
ゴルフスイング理論は
物体としては重心のズレは存在しても
ヘッドその物を軽くし、シャフトを硬くし
それを出来るだけなくす方向に進んでいる
(もしくは感じなくさせる方向)
という事の表れのような気がします。