この問題 実はとても重要 なのですが、
 とても分かりにくく、
 それぞれの方、ご本人、当人が
 認識、自覚していないことが多いです。

スコアの良い自称上級者の人たちも
 レッスンプロも それでスコアが出ているので
その点に於いて 何も感じていないし
疑問に思っていないのが殆どです。

その問題は漠然としていますが
「動作のテンポ」
「動作の手順感」
です。



例にとってみましょう。
これもよく言われるダメだよ!の見本ですが、
オーバースイング と言うのがあります。
スナップショット 1 (2017-11-13 14-55)

どこかの記事で書いていますが、
オーバースイングは 
その恰好、姿形、型に問題があるのではなく
左上腕が左の側帯から大きく右にズレてしまうことによる
振り遅れに問題が起こし易い というコトです。

で、そのオーバースイングを治そうとするとき
オーバースイングは 大きなスイング…だから
スイングを上げないコト、上げ過ぎないこと を注意点に
小さなトップ、上げない(上げ過ぎない)トップを心がけ
ようとして 必ず失敗します。


え! って思うと思いますが、
オーバースイング原因は
『上げていないコト』 にあります。

正しく説明をすると
動作に手順があり、
まず 体を少し回転させ、
 その間は腕は体の回転での移動以外止まっています。
体の回転が収まると その回転の慣性も利用して
 腕が動き始めます。
慣性を利用しているので、自分の想定よりも
 深いトップの位置になるから
 オーバースイング と呼ぶわけです。

つまり 動作手順が
 体 → 腕
と必ず分離して 別々な「テンポ」や「タイミング」で
動くことが問題なのです。
x459

ですから オーバースイングの原因は
「適切な時期に」クラブを上げていない、
腕を動かしていない こと
というコトになります。

今回のテーマに沿って 言えば
体と腕が別の時期、
特に体の後で、腕が動く手順が問題な訳です。
体の回転で慣性が付いた状態で腕を動かすこと、
もしかすると 腕を使ってはいけない と思っているから
その慣性で「結果」腕が動かされているのを
腕〜手を使っていない と思っている節もあります。
それをクラブの重さを使って
 スイングすると勘違いしている節もあります。
単なる「手抜き」なんですが…。


オーバースイングの話は単なる例…ですが、
ゴルフの仕事に携わって万人単位のスイングを見てきましたが、
プロも含めて90%を超えるゴルファーは
 体が動いている間は腕は止まっていて
 体が止まると腕が動き始める

という動作手順をしています。
 動作として 必ずどちらかが止まっているのです。

そういう目で自分やゴルフ仲間、プロゴルファーの
スイングを見てみてください。

おそらく…ですが、
多くの人はスイングは回転する動きで
クラブを引っ張るモノ、腕を引っ張るモノだと思っています。
しかし 腕や運動するクラブは
十数キロ〜20キロ位の負荷になります。
からだで引っ張っても 
両手の持っていられる最大後方(動いていく方向に対し)…
スイングの場合は右サイド、左手の握っていられる所に
張り付いてから体の回転の分移動しますが、
張り付きはそのままです。
それでは 円は描ききれませんから、(スイングにならない)
体の動きを止める…スイングの場合は
体の回転の終着点の減速する反動で
テークバックと同じ、回転の慣性を利用して
腕、クラブを振ることになるのです。

ですから 体が動いている間はクラブは止まり
腕が動いている間は体は止まっている
という 体→腕 体→腕 という
スイング手順になるのです。

dohirakihiraki









よくあるパターンですが、
この全体姿勢は、体だけが動いていて
腕がトップの位置からほとんど動いていません。
体はひねっていて 肩部だけがボールの方向の向いていますが、
胴体・腰・骨盤は 左を向ききっていて
これ以上体は回せず ほぼ終了地点です。
体は止まりますから
ここまで動いてきた慣性も使い、
腕だけが動くことになります。
これを一般的には「手打ち」と呼ぶのです。


腕を動かしているつもりでも
結局のところ、体の向きを変え
腕を移動させているだけです。
重さのある腕やクラブは
 体の向きの変更中は動かすことは不可能です。

この打ち方では
 前傾姿勢と右向きによるクラブが上から入ってくる、
 右向き➡正面 というコトによるインサイドから入ってくる

という そのクラブの長さに応じた規則性のあるスイングの弧を
利用できず、結局、訓練によって
腕でその軌道に近いモノをなぞっているに過ぎません。
訓練頻度の低いアマチュアにはとても不向きです。
運動性能の低下の著しいオジサンゴルファーには不向きです。


この問題は実はとても重要で深刻です。
腕が止まり、体が動き
体が止まり、腕が動く
と言う別々な手順は
アプローチなどでもそうですが、
テークバックの時点でほとんどのゴルファーが
これが「スイングの動き方・手順」 として
何も疑問を頂いていません。
ただ その動く場所や動く速度や方向などを修正しよう
としているだけですが、
そのバラバラに動く手順そのものを治さなくてはなりません。

どんな「う・ご・き・か・た」
   「う・ご・か・し・か・た」
をした所で、この手順では
絶対に「振り遅れ」になります。
逆に『振り遅れないと打てない』のです。

スイングの一番の課題は
 いつ 打つか? であって
 どう 打つか? ではないのです。

そう言う意味では
昨今の「ゴルフスイング理論」は
『振り遅れて
 どうやって打つか?!』
を教えているに過ぎません。



この基本中の基本の
動作手順を治さない限り
ゴルフクラブのスイング軌道など論じても意味はありません。
各各のゴルフクラブの弾道を生み出す機能・メカニズムは
基本、振り遅れを前提として
手でスイング軌道を造ることを前提として
設計・製造されてはいないのです。


心配なのは 最近では「このどう振り遅れて打つか」
がスイング理論の主流になりつつあります。
このままでは 本来の機能でなく
振り遅れて打つのに何が良いか
手で振ってスイング軌道を描く
ことを前提としたクラブになってしまう…
なりつつあることです。


ここの部分が一番大きな課題とも言えるでしょう。