ゴルフクラブ、クラブヘッドのやさしさの目安
指標となっている用語 
慣性モーメント』
もうかなり浸透している用語だと思います。

これは 3000とか4000と言うような数値で表記され
この数値は ヘッドのミスに対する寛容性 というか
やさしさを表すもの として扱われています。
厳密に言うと 慣性モーメントとは
そのヘッドの姿勢や運動性を持続する力で
外的な圧力〜ボールのインパクト衝撃 などが
加わっても 姿勢や運動を崩さない と言う意味です。
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慣性モーメントの数値は
ヘッドの大きさ ⇒大きくなる
重心距離の長さ ⇒長くなる(ヘッドが大きくなる)
ヘッドの重さ  ⇒重くなる

に大きく影響され、数値が大きくなります。
ドライバーヘッドで言うと
かつて 約20年前一世風靡したエスヤードの
慣性モーメントは 2300gcm2 前後でしたから
現代のヘッドの平均値 4800 はその倍
「正しく使えば」倍安定しやすい とも言えますねー。
弊社のヘッドもそうですが 数値が5000を超えるものも
現代では少なくありません。

ここからがポイントですが
そのヘッドのやさしさの目安
慣性モーメント計測は
ヘッド単体で重心位置を軸に
ヘッドがどの位回転というか、運動しにくい
と言う形で計測します。
数値が小さいものの方が回転しやすく、
数値の大きなものが回転しにくくなります。
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シャフトを軸にヘッドを回転
フェースローテーションして打撃するような
そんな打ち方にとっては
この数値はほとんど役に立たないばかりか
慣性モーメントの数値は
ヘッドの大きさ、重心距離の長さ、ヘッドの重量
などを表す数値とも言えるので
数値が大きくなるほど
フェースローテーションはし辛く、扱う難くなるとも言えます。

シャフトが十分柔らかく
クラブを正しく扱えば
クラブ、シャフトの延長線上に
自然にヘッドの重心位置が来ます。
クラブが一直線上に並ぶということです。

このクラブを作る側、売る側と
使う側、教える側のずれ を解消するべきでしょうね。

アイアンであっても ドライバーであっても
一般的には ミスに寛容なヘッドがやさしい と
思われています。
ところがそれを数値で表しても
造る側、売る側の「やさしさ」の定義と
使う側、教える側の「やさしさ」の定義が
ずれているというか、魔反対な訳ですから困ったものです。

また もう一つの問題点は
ルールの制限があるとは言え
大きくなったウッドやドライバーは
その数値が倍化したわけですが、
アイアンは スイング破壊兵器の軽量スチールシャフトが
主流になって以来、慣性モーメントの数値は年々下がり
軽量スチールシャフトが主流になる以前、
2005年前後をがピークで
2015年のアイアンヘッドの慣性モーメント平均値は
1996年となんら変わりがありません。

ドライバーにとっては やさしさの目安である
慣性モーメントの数値は
アイアンにとっては そうではない という事になります。
nyuusy

個人的にはこの15年で
やはり クラブの扱い方、スイングの概念が
本来のクラブの構造や機能と乖離してしまったような
気がしてなりません。