ゴルフクラブの役割を考えてみましょう

ここに
❶45インチ 11度のクラブ(ドライバー)
❷35インチ 55度のクラブ(ウエッヂ)

があったとします。

これを 長さなりのヘッド重量に調整し、
シャフトの硬さ等も合わせたとして

❸35インチ 11度のクラブ
❹45インチ 55度のクラブ


を用意します。

基本、ボールを打撃する破壊力は
❶〜❹ともに大きな差異はなく、似たようなものです。


これを 
正しく体の回転 で打つ!と仮定しましょう。

31954726

❶はごくごく普通のドライバーです。
では これを❸にするとどうなるでしょう。
長さが10インチ減っていますが、
その分ヘッド重量は増えていますので、
基本破壊力は変わりません。
❸は短さの分、クラブの入射角度はきつくなり
スピンは❶に比べ多めになりますが、
打ちだし角度はかなり低くなります。

❶で180ヤード位のキャリーとすると
❸では130ヤード位のキャリーになり
空中を飛ぶよりも、地面を転がる抵抗の方が強いので
総飛距離もかなり落ちることになります。

❶45インチ 11度のクラブ(ドライバー)
❷35インチ 55度のクラブ(ウエッヂ)
❸35インチ 11度のクラブ
❹45インチ 55度のクラブ

問題はこちら ウエッヂの方です。
想定ではウエッヂの話ですが、
この状況は 飛ばない…と悩んでいるアマチュアの
ドライバー/アイアンショットに相当する話です。

❷はごくごく普通のウエッヂです。
キャリーで60ヤード位飛ぶとします。
❸になると長さは増えます。
長さの分、ヘッド重量減衰してますから
破壊力そのものに大きな違いはありません。

❷に比べ ❸は打ちだし角度はかなり高くなりますが、
スピンは少なめになります。
飛ぶ距離はさほど差がありませんが、
全く異なる弾道になります。
20150506

ウエッヂ➡ロフトの大きなクラブだから
まだマシというか、距離に差が出にくいですが、
これが ロフトの少ないクラブ
ドライバーやフェアウェイウッド、アイアンなど
ロフトの少ないクラブになってくると
その差はより顕著になります。








 ➡そして、その続きです。

『高打ち出し・低スピン』
この概念は始めから矛盾があります。

クラブの基礎の機能も無視する考えです。
よく「物理で解決しろ」という意見の人がいますが、
ゴルフスイングを実践する6割以上の人が
50歳を超えた運動不足オジサンゴルファーです。
そのおじさんゴルファーにとって
『高打ち出し・低スピン』の実践は
不可能に近いか、もしくは体を酷使する覚悟が必要です。

この『高打ち出し・低スピン』と言う概念は
実質ヘッドスピード46ms以上
自称しているヘッドスピードでは50を超えていないと
全く機能しない理論です。

嫌味になってしまいますが、
日本のコースはヤーデージが上げ底、1割以上の上げ底が
多い影響なのか、それとも単に見栄っ張りなのか
ヘッドスピードは殆どの人が1割増しで自己申告しています。
また、誰のためにゴルフをしているのか と思うほど
他人の為に数字を繕う修正は感心しません。
高い球、スピンの多い球を造る為だけに
ヘッドやクラブだけをブリブリ振り回しているその数字は
偽物の数字です。
スナップショット 1 (2014-06-26 13-45)

高打ちだし・低スピンを実践するには
絶対的なヘッドスピードが必要です。
そのために ヘッドやクラブを振ると
ヘッドスピードの「数値」は上がりますが、
インパクトは大きなロフトで開いて当たる可能性が
その分増します。
大きくフェースターンをすると
 ヘッドは低さを保ち易く、
体は大きく上を向く矛盾が発生します。

今度は 低スピンは実践できますが、
高打ち出しが足りません。
ここから体を酷使する訓練が必要です。
👉…これは脳みそ筋肉のヘッドスピードが確保出来る場合、
  女性も含めた8割以上のゴルファーには目指すべきでない、
  目指しても実現不可能な道です。

❺55インチ 11度のドライバー

ヘッドスピードがごくごく普通の人にとって
クラブの長さを増やすような入射角度をとっても
ボールは ポコんと上がるだけです。
推進力が尽きた時点でボールは落ちますが、
高く打ちだされているので 地面への落下角度も大きく
ボールがそこから転がりません。
アマチュアに最も不適切な方法です。
兎にも角にも 体への負担が大きすぎる。

自分では気づいていませんが、
煽り打ち、しゃくり打ちは この55インチのドライバーで
打っているような球筋になります。
あるヘッドスピードに到達できない人にとっては
体を痛めて、わざと飛ばさない方法と言えます。
584506d7

これを推奨する人は
 自分以外のゴルファーが見えていないのでしょう。