ゴルフクラブというものには当然「重さ」…があります。
特にクラブヘッドには 多少の差異はあったとしても
全体の重量の半分以上が鉄の塊として存在します。
スナップショット 5 (2013-06-22 0-33)

その重さを秤・計量器の上に載せて
その数値だけを論ずるのは殆ど意味がありません。
ゴルフクラブの場合、
その重さが打ち手にどのような作用を加えるか
ということに「重さを利用」しないと
ゴルフクラブとしては意味を成さなくなってしまいます。

通常 重さとは重力方向へ働くチカラ です。
ゴルフ場での傾斜地などもありますが、
基本は 縦方向に働くチカラ です。
それは 位置エネルギー 高さを持っていると
  落下 という運動につながるのですが
それを ゴルフクラブはその形状によって
縦にかかる力を 横への運動に変換する能力を持っています。

ゴルフスイングは その形状を巧みに利用し
その縦に落ちるエネルギーを
如何に横の回転運動の助力や促進に変換させるか
ということに尽きると思います。

テークアウェイ時は重力に逆らう動作になりますから
その クラブの重さやヘッドの重さは
基本、そこに留まろうとする
上がりたがらない、動きたがらない力 になります。
しかし、いったん位置エネルギーを与えてしまえば
(高さをとってしまえば)
その落下しようとする その力を使って
次の場所、次の位置へと
横へ 横へと そのエネルギーを利用していかないと
面白くありません。

スイングの基本はグリップの横移動です。
厳密にいえば スイングには前傾姿勢が存在するので
それはやや傾いた 斜めの移動になるのですが、
面白いもので クラブのその力を使って
横移動(厳密には傾いた分の斜め移動)をすると
前傾姿勢を維持しやすくなり、
落下する縦の力を 人間のチカラ技で
遠心力に変えてしまうと 前傾姿勢は失います。

ふと 不思議に思うのですが、
巷で言われている オンプレーンスイング は
スイングの軌道を重視するスイング論です。
ですが スイングの軌道には何かの基準 が存在する筈で、
私はそれは前傾姿勢ではないかと思うのですが
オンプレーンスイングを遂行すると必ず前傾姿勢は
スイング途中で失ってしまうので
基準の無い軌道 を追いかけることになるので
理論として破綻しているような気がしてならないのですがね…。


スイング時でのテークアウェイは
ダウンスイングやインパクトの
思い描いている位置や場所、姿勢などを構築するための
準備動作です。
とはいえ 帰りの軌道(ルートという意味ではなく)は
このテークアウェイでほぼ決まってしまうので
ダウンスイング以上に気を使って
創っていかなくてはいけないのです。
(実際に打つときはお気楽でいいと思いますけど)


スナップショット 2 (2013-06-28 2-10)


テークアウェイのポイントは二つです。
★以降の動作の行きたい(行かせたい)方向に
 クラブの重さが使える位置や場所を構築すること
★以降の動作の余裕、楽にするために
 十分右を向いて時間を作っておくこと

そう言った意味では 型 や 恰好 なんて
あまり気にする必要がなく、
クラブの構造や人間の構造がほぼ同じであるから
結果として似たような姿勢や位置になるに過ぎません。
型や恰好を真似てみるのは
それをしてみることによって クラブの位置感や
重さ感を実体験してみるだけであって
その型や恰好を作り出すことが目的ではありません。

スイング創りのほぼ7割が 頭の中にある「思い込み」です。
残りの3割の動作の部分は数多く打つことではなく
静かな動作での アドレス〜テークアウェイの取り方
で決まります。
実際に ボールを打つと「元に戻ってしまう」
「うまく行かない」のは動作のミスではなく
「思い込み」の間違いが大半です。
自分の頭の中にある クラブの移動のさせ方 を
体現するのが そのテークアウェイになりますから
そこは静かな動作と頭の中で ちょっとトライしてみて下さい。