この10年位で ゴルフ用品界の進もうとしている道が
加速度的に怪しくなってきています。
怪しくなった大きな要因のひとつには
「マークダウン」と言って
新商品が発売される 2か月前になると
大手メーカーはクラブを商品価格を半額にします。
始めは在庫処理が目的だったのかも…です。
ところが、それが悪循環の始まりで
商品全体の総販売数の おおかた7割近く が
マークダウンされてから になってしまいましたから
コスト計算もやり直しです。
さらに 新商品を出さないと 旧商品の販売数が伸びない
という奇妙な状況に陥ってしまいました。
マークダウン後の商品ですから数は売れても販売総額は落ち、
にもかかわらず新商品は出し続けなければ行けないわけですから
台所は苦しくなる一方です。
ゴルフクラブのイメージとしての「価格」も
この10年でかなりデフレしたように思えます。
スナップショット 1 (2016-01-17 16-25)

かつてのゴルフクラブは
ユーザーがそれを正しく使えるか、どうかは別にして
より易しく、より楽に ボールが打てるように作り
そして 
無言でゴルファーを誘導していました。

私個人では 反発係数あたりから
間違った方向にユーザーを誘導しているような気がします。
反発係数は以前説明しましたが、
インピーダンス理論と言って
ヘッドとボールの固有振動に基づく理論です。
双方の固有振動数に離れがあればあるほど
つぶれやすいボールが つぶれることとそれを復元することに
打撃のエネルギーを取られ、ボールの速度が食われてしまいます。
ですので、双方の固有振動数、歪み具合を出来るだけ近いもの
にしてあげることによって ボール初速をロスしない考えが
反発係数 という概念の始まりです。
…たぶん 昭和50年代始まりの発想ですね。
ですので、反発係数が数値として高い ということは
確かにボールの速度は上がりますが、イメージとしては
 「より反発しない」 ことになるのです。
素材としては
 パーシモンドライバーが反発係数の数値としては断トツです。
0.93を超えるものすら存在します。
どうですか? 言葉遊びになってしまいますが、
パーシモン素材のドライバーとメタル素材のドライバー
どちらが 「反発」しているように思えますか?
・・・・メタル素材でしょ?
でも現実は「反発係数の数値」としては
圧倒的にパーシモン素材なんです。
古い話になりますが、メタルが出始めたころ
ボールが吹き上がって…でしたよね。
それは 同じロフトや性能ではメタル素材のヘッドの方が
ボールが必要以上につぶれてしまい、その復元のために
ボールの速度よりボールの回転ばかりが増えてしまうからです。

反発係数という言葉
英語で言うと SLE
 スプリング ライク エフェクト …バネのような効果
…この言葉はもう完全に いかさま です。 呆れてしまいます。
バネ のような 効果・・・
のような と 効果 はほぼ被った意味で
本来のその性質をちゃんと物語ってはいません。
反発係数の数値は
その数値が高いほど、確かにボール初速は高くなりますが、
より ヘッドとボールが似たようにつぶれる
一方的にボールだけがつぶれる のではない
というところが 本来の概念です。

言葉として使いますが、反発係数の概念が導入された時
それと同時に、ボールを弾かないような打ち方が
主流になって行くべきだと思いました。

ちゃんとしたその性質、その機能を説明していれば
ゴルファーのイメージとして
 ボールを弾かないで打った方がその効果は活かせる
という認識になったはずです。

ところが それとはまったく反対の
 反発させること、弾くことをイメージとして
定着させてしまったのは
正直、ゴルフ用品界の最大の失敗だと思います。
今の販売低迷やゴルフ人気の失墜の大きな原因のひとつ
だとさえ思います。


また 傍論になりますが、
パーシモンドライバーは その"反発係数の数値"の高さ故
スピンが掛かり難くなっています。
ボールが上がりにくい のです。
よって より上から打ってあげないと
ボールの浮力が生まれなくなっています。
一方 メタルドライバーは その反発係数の数値の低さ故
スピンが掛かり易くなっていますが
そのメタル素材の特性上、ヘッドを大きくし易く
重心を深く取ることが出来ます。
ヘッドの重心は深くなれば成る程
インパクト時にヘッドが前に出やすく、
インパクトロフトが増えやすいので上げやすい
という性能と同時に、それによって入射角度を緩く
もしくは煽りうちになりやすいという性質ももっています。
そう考えると 
現代の誰もかれもが
ショットを煽り打ち するこの傾向は
クラブによってもたらされている
 ということも
わかる訳です。

・・・・・・・・プロの煽りうちはひどいなぁ…美しくないよー。


現代のゴルフクラブは 当たり前ではありますが、
(ゴルフクラブに限ったことではないのでしょう)
道具 ➡ 商品としての色を強くもち
より易しく、より楽に ユーザーが使える よりも
より数が売れる より安いコストで
ということを念頭にして、作られるようになりました。

昨今 流行りのネックのいじれるタイプのドライバーなど
ユーザーにとって 一利もメリットはありません。
ネックの動かせる 取り外し可能なタイプのクラブは
単に メーカーが提供する無償の試し打ちクラブの数を
激減させられたことだけがメリットです。
スナップショット 1 (2014-08-28 16-06)

一昨年あたりから多く見られる
 重心が動かせるタイプのドライバーに関しては
10g程度の重量が トゥ〜ヒール
フェース側〜バンス側 に移動
端と端を比べてみても、
重心の位置は1ミリ動くか動かないか程度ですので
工業製品の製品誤差の範囲の中 です。
逆に ユーザーによって重心の位置が
大きく動かせるのであれば、ではその機種の開発概念は
なんだったのか ということにもなります。

デザイン上の問題もあるにはありますが、
より金属厚が薄くなってきているので
それの補強としてバルジ効果の一つでもあるのです。

まあ どちらも機能ではなく、単なる飾りです。

ゴルフ用品会の背景をみると それも 然るべし
というところですね。