オリジナルシャフトの MDシリーズ
GSW5シリーズを採用し始める頃から
ゴルフ用品も出来るだけ 国産 で
と言うように考えるようになりました。

お客様の金額的な負担になってしまう
と言う点では いささか 心苦しい ところ
ではありますが 何でも 価格 というコトになれば
いずれ ゴルフだけに限りませんが
すべての生産拠点は 海外になってしまいます。

鉄の鍛造技術やシャフトの生産
というのは 職人の世界の「匠の技」です。
雇用も含め その技術者が国内から失われてしまうのは
ゴルフに携わっている者としては
体が切り刻まれるような想い です。

多くの方に ゴルフを楽しんで貰いたい
とは 思うのですが、反面
より安くゴルフ用品が買え ゴルフが出来る コト
が本当に ゴルフを楽しむコト とは思えないのです。

製造拠点が国内になく 技術者も失い
単に 消費財 としての ゴルフ用品 に
なることは 結果 アマチュアのゴルファーにとっても
良い事とは思えないのです。

ウッドヘッド、ウッドシャフト、アイアンヘッド
アイアンシャフト、 ソケット
出来るだけ 国産のモノにこだわっています。

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現在 オリジナル のヘッドとして
採用している 共栄ゴルフの HBS-10 は
原型は 共栄のNK-99
(廃版) です。

このモデルは 長く ブリヂストンのMTN3
を使っていたジャンボの キャビティモデルとして
ジャンボもイメージで作成したモデルです。
ですから ウエッヂには MTN3の系譜
色濃く残っています。

人間的にはともかく、クラブの造詣や
クラブ扱いに関しては ジャンボは飛びぬけた存在です。
長く活躍し その活躍期間も
元プロ野球選手の体格とは言え
40歳を過ぎてから 全盛期と言えるほど です。

それを 支えたのが 彼のクラブ概念です。
今も 当時も ジャンボほどの 
ヘッド重量
そして ヘッドの重心距離を使える プロの選手は
全く存在しません。

重量、重心距離共に
正しく使えない人にとっては
邪魔 でしかない訳で
その証拠に タイガーも遼くんも
使用モデルは 短重心距離のモノばかり
遼くんは若いとは言え 自分のオリジナルモデル
を作る知識があるとは思えないスウィングです。

オリジナルモデルから 70g近くも重くして
現在 世界中で流通しているアイアンヘッドの中では
比類なき重さ 世界一の重さを持つヘッド です。

当然 単純な 単一素材のヘッドですので
大きく 厚く するしか 重く出来ないのですが
他のヘッドと比較しない限り
その大きさを感じさせない 素晴らしい造り です。

共栄さんの今後はちょっと心配ではあるのですが
その下地の丁寧な仕上げ
各面の処理、ショット(ブラスト)の技術や
メッキの技術
は 明らかに 現時点で
世界ナンバーワンの技術力 といって良いと
思うのですが 
一般ユーザー側に それを見る能力が
極端になくなっているのが 非常に残念です。

言いたくはないのですが
現在 流通されている 軟鉄鍛造のヘッドは
どこから見ても 鋳造程度の仕上がりのモノばかりで
その性能差 というのは ないのですが
工芸品、長く使って楽しむモノ というよりは
使い捨ての道具のニュアンスを色濃く持っています。
コスト削減を目指すのであれば
ステンレスや鋳鉄を使えば良いのに
(性能差なんて ないのですから…)
「軟鉄鍛造」と言うブランドを 宣伝文句に
する為だけの 軟鉄鍛造ですので 細部の仕上げも
重要な面取りの技術も お隣の国の製品
と言った感じで 非常に残念です。

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道具として 工芸品として
ここまで 素晴らしいアイアンヘッドは
もう創れないかもしれない 恐怖すらあります。

オリジナルのモデルから
7回以上 改良、手を加えてきました。
スコアラインの入れ位置、ネック周りの太さ
ポケットの形状、トゥ側のアールの取り方
ソールの形状、バンスの角度と幅
全体の厚みの変化 等
持てる知識をすべて注ぎ込んだアイアンヘッドです。

重量もそうですが 重心距離も
現在流通している 軟鉄鍛造のアイアンヘッドの中では
多分 最長
重量効果を更に増幅させるコトになりますし
シャフトの運動幅をそれによって 大きく出来ます。

トップラインをアップライトに見せるコトによって
ライ方向の動きを抑制し
その運動そのものを
ヘッドの形状に任せることを促します。

使えば使う程 美しくなる
そんなアイアンヘッドです。
是非 長い期間 相棒として
 楽しんで頂けると幸いです。