「こういう時だからこそ」例大祭開催 石巻・十八成浜

2011年5月4日

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久しぶりに集まった仲間と宴会を楽しむ十八成浜地区の人たち=3日、遠藤啓生撮影

 牡鹿半島の宮城県石巻市十八成浜(くぐなりはま)地区で3日、春の例大祭が開かれた。住民の大半は今も避難所暮らし。「こういう時だからこそ、復興祭としてやるんだ」。酒も入り、笑顔が戻った。

 津波で住宅はほとんど流された。4人が亡くなり、1人は行方不明。祭りの日が近づいても「見つからない人もいるのに、やらなくてもいいんでねぇか」という声もあった。

 養鶏業の沼倉憲一さん(63)らが「復興を願って祭りをやりたい」と宮司や住民に呼びかけ、4月29日に開催が決まった。神社の本殿は無事だったが、鳥居は流され、辺りはがれきだらけ。重機で撤去した。

 3日は100人以上が集まった。祭りの後の宴会も例年通り。木村武雄さん(68)は「みんな、ずっとしょぼーんとしてた。明るい顔見るの、久しぶりだっちゃ」。(松本紗知)

http://mytown.asahi.com/areanews/miyagi/TKY201105030293.html