トーナメントカーの中、作業場はプロゴルファーの遊び場だった…
ライ角度をいじったり ソールを削ってみたり ドライバーのトップラインの
塗装を剥がしてみたり グリップの下巻きを増やしたり 減らしたり…
逆にそれを見て クラフトマンは勉強したモノで
新しい自分のドライバー シャフトのチェックを
ジャンボさんに打って貰って確認したり
メーカーなんかの枠を飛び越えて 楽しんでいるようだった
いつの頃からだろう
プロ達は クラブをクラフトマンがいじる間
外でお茶をして 待っているようになったのは…
プロ同士の会話も アマチュアと同じレベルになってしまって
あのシャフトが売れているとか
自分以外の人 の評価、評判ばかりを口にするようになってしまった
グリップの入れ方や下巻きにこだわりのある人も
どんどん 少なくなったように感じていたし
一貫して このシャフト! ってシャフトだけは替えないプロも
居なくなってしまったように感じる
僕は楽器演奏はまったく出来ず 素人なんだけど
音楽業界も同じらしく 昔は ギタリストって言ったら
ギターそのものは当然 アンプなんかもいじくりまわしていたらしい
この「コンデンサー」使ったり トランスもこっちに替えたり…
いまは 買ってきたら そのまま。
有名メーカーの 高額品さえ 買えば 良いんだ と言う。
名前が通っているモノが一流 有名メーカーなら良し
売れているモノがすぐれていると思ってる (アホらしい…)
その判断基準は 機械がするモノではないだろうか
ゴルフクラブで
◎◎の××ドライバーが今一番売れている
とメディアにあるとしても
それを個人で確かめる方法は一切ない
僕ら 業界人ですら 本当はどうなのか わからないし
その××ドライバー が どんな人に対し どこで どの期間で
どんな風に売れたのか 一切 わからない
京都にある 何とか って お店で 会員に向けての セールで
一番売れただけかもしれないし
量販店のセールの中でも それが 一番値引き率が高く 安価だったのかも
知れないし その背景は 嘘では無いかもしれないが 本当でもない
確かに 日本はこの数十年の変動の中で
受験戦争や内需拡大 売上倍増 という数値 数字の中で
揉まれてきたけれど 数字は客観的な物差しであって
ゴルフや音楽のように 娯楽や趣味 の世界では 殆んど役に立たない
売れているモノや人気のあるモノは
良く考えると 自分以外の人の評価であり 自分の評価ではない
遊びのモノは 売れているか 人気があるか ではなく
自分が 好きか 嫌いか 使いたいか 使いたくないか だけだと思う
現代の多くの人のこだわり 特に若いゴルファー のこだわり と言う意味は
僕の目には あえて 無個性の道を邁進しているように見える
自分を無くし 皆の評価の為に お金を使い 遊んでいるように見える